艋舺大拜拜 (青山王祭典)

艋舺大拜拜は台北の盛大なお祭りです~

青山王の聖誕は農曆10月23日、
聖誕1日前の農曆10月22日には正日遶境(昼の巡行)が行われ、
さらに前2日間の農曆10月20と21日には暗訪(夜の巡行)が行われます。

「青山王祭典」のイベントは「艋舺大拜拜」とも呼ばれ、艋舺地区の重要な信仰イベントです。
台湾北部の重要な宗教行事として、大稻埕霞海城隍廟の「霞海城隍祭」と大龍峒保安宮の「保生大帝祭」とともに、「台北三大廟會」と称されます。

艋舺青山宮は大陸福建の泉州惠安から艋舺に移り住んできた人々が故郷の青山王を迎えるために建てられました。
青山王(靈安尊王)は惠安人の守護神としてだけでなく、城隍爺と同じように司法をつかさどり、善悪を懲罰し、人々を保護する能力を持っています。
また、疫病を鎮める能力があります。
言い伝えによると青山王が初めて台湾にやって来た1854年、艋舺ではひどい疫病が発生していましたが、青山王が祀られると、疫病は鎮まったそうです。
また、その後のペストや、2003年に広まったSARSの時も遶境を行った数日後に感染が収束し話題になりました。

艋舺大拜拜の見どころは2日間にわたって行われる「暗訪」!

「暗訪」は神様が夜に管轄地区を巡回する儀式です。
暗訪は悪霊が活動をはじめる夜に行われます。
暗訪の目的は疫病の駆除と悪霊の捕獲であるため、古くは災いを避けるために経路の民家は窓を閉め、覗き見ることは許されず、ひっそりと行われる神秘性のある儀式だったようです。
昼に行われる多くの遶境は、神様の聖誕をお祝いをして、神様と人が共に楽しむことを目的に行われますが、これに比べて暗訪は異なる意味がありました。
しかし、現在の暗訪は過去とは大きく異なり、楽器の音と大量の爆竹と花火で神様を迎え、賑やかで盛大に行われる一種の観光化した宗教イベントになっています。
暗訪を行う神様は、人間界でいう警察の職位で、青山王の他に城隍爺や王爺の聖誕前にも暗訪が行われることがあります。
青山王の暗訪のイベントは、大稻埕霞海城隍暗訪、新莊地藏庵暗訪と合わせて「台北三大暗訪」の一つに数えれれます。

艋舺大拜拜の陣頭の華は青山宮八將團!

八將は青山王の護衛と悪霊の捕獲を担当し、青山王が命令した任務を実行する部隊です。
八將團は艋舺青山宮から発展した陣頭で、8名の将軍と1名の引路童子で構成されます。
家將の分類のひとつですが、よく知られる八家將とは異なる陣頭です。
八將のモデルは青山宮に祀られている枷鎖將軍で、それぞれ持っている武器によって名前が付けられています。
左側の、赤い臉譜で右肩を露出した赤い衣装をまとっている方が、一列目から枷將軍、虎頭牌將軍、釘槊將軍、虎頭鍘將軍で、
右側の、緑の臉譜で左肩を露出した緑の衣装をまとっている方が、一列目から鎖將軍、火籤將軍、大刀將軍、釘床將軍です。
中央の、白鶴の臉譜で皇帝の衣装をまとい、ひょうたんを持っている方は引路童子で、チームの指揮をとる役割です。

青山宮の暗訪に参加する陣頭は青山宮所属の3大軒社(寺廟の民俗芸能団体)の義英社、鳳音社、義安社と、醒獅團、八將團、神轎團、青山會などの小規模な隊列で構成され、他の陣頭の参加は許可されていません。
正日遶境の際は地域の陣頭も参加し、賑やかなイベントになります。

遶境の際には電飾で明るく照らされている青山王の神轎ですが、途中で明かりが消されることがあります。
これは、地元の他の神様を尊重し、それら他の信徒とのもめ事を避けるためで、龍山寺、天后宮、祖師廟など規模の大きな廟を通過するときは、電飾を消し、静かに、駆け足で速やかに通り過ぎる習慣があります。
これも今は観光化し、この儀式を見るために観衆が集まり、暗い神轎が駆け抜けていくと拍手喝采が沸き起こります。

西門町の繁華街の中や華西街夜市をねり歩く陣頭の光景は圧巻で、
夜の街での大量の爆竹は刺激的ですよ~

艋舺青山宮臺北市萬華區貴陽街2段218號

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です